2011年01月15日

仕事をサボる社員

仕事中にネットサーフィンをして遊ぶと、集中力が高まり、生産性が向上するという調査結果があるらしい。「企業は生産性が低下するからと言って、社員がYouTubeやFacebookを見たり、オンラインショッピングをするのを防ぐためのソフトに多額の費用を投じている。だが、常に生産性が低下するとは限らない」と、メルボルン大学のブレント・コーカー博士は指摘している。
ネットサーフィンというのは、たとえば『村上春樹の新作が出るらしい』と調べて、そのホームページに『村上春樹は厚揚げが好きらしい』と書かれていて、そんな情報どこから出てきたんだろう…と 『村上春樹、厚揚げ』で検索して、また別のサイトへ移動して…と、次から次へとサイトを移動して時間を過ごしてしまう行為のことである。

このような行為を防止するため、企業はWebブラウザをロックするセキュリティソフトを導入したり、あるいは社員に 『この会社では君達がパソコンでどんなサイトを閲覧したか、すべての情報がサーバーに記録されるから、如何わしいサイトなど閲覧しないように。』 と、釘をさしておく。
仕事をサボるのは事務職や開発職だけではない。上司の目の届かない外回りの仕事=営業職も同様だ。むしろ、営業職で仕事をサボったことのない人を探すほうが困難ではないか。客先にいって商談を成立させて、ちょっと疲れたからそこらの喫茶店で一息入れようというのは、そんなに悪いことには思えないし、というかその程度ならサボるうちに入らないと思うのだけれど、さすがに仕事中にゲーセンへ行ったりカラオケへ行ったりするのは問題だと思う。
で、最近はGPS搭載の携帯電話が普及してきたため、営業職にそれを持たせて 『この会社では君達が今現在どこにいるか、すべてお見通しだから、外出中に妙な場所へ出入りしたりしないように。』 と、ザミャーチンやオーウェルばりの監視社会を構築している企業まである。
どうやらインターネットのアクセス監視だけでなく、監視カメラ、ディスプレイモニタなど、ありとあらゆるシステムを駆使して、社員の働きぶりをすべて把握するつもりらしい。


しかしながら、生産性をあげたいから社員の監視を強めるというのは逆効果である。
そもそも、人間というのは仕事をサボる生き物だ。パソコン(ネットサーフィン)でサボることが出来なくなった社員は、監視カメラの映らない給湯室でおしゃべりを始めたり、あるいはパソコンにむかったまま、なんとなく「ボケーッ」として時間を過ごしてしまうし、 GPSを搭載された営業職は、さしあたりない場所で一服したりと、彼らは必ず何らかの抜け道を見つける。
そして、そのうち社員は 『いかに自分が仕事をしているか』をアピールするために、監視カメラに映る自分を意識するようになるだろう。ようするに、仕事そのものよりも 『仕事をしている自分を演じること』 のほうが重要になってしまうのだ。なにより、監視される社員は仕事に対するモチベーションも下がり、人間性が失われていってしまう。
企業は何のために社員を監視するのか?もちろんそれは「利益」をだすためだろう。ともすれば、その監視行為が本当に会社に利益をもたらすのかを冷静に考えなければ、監視システムは経営者の自己顕示欲の象徴にして終わる。

生産性が高い人というのは、サボる時はとことんサボるけれど、仕事をしているときの集中力はものすごいものだ。たとえば、彼がひとたびプログラム開発などを始めると、他の事には一切目もくれずプログラミングに没頭し、食事をするのも面倒になり、気がついたら夜中の12時だった…というくらいすごい。
 
posted by もときち at 14:49 | BUSINESS | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする 
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