2009年12月22日

なぜFF13は失敗作なのか


ファイナルファンタジーXIII / スクウェア・エニックス
タイトルを「なぜ僕にとってFF13は失敗作なのか」に変更したほうがいいか?
ユーザーの中には本作を十分に楽しめたという人もいるわけで、今作は(万人にとって)必ずしも失敗作ではないということです。
で、最近ようやくクリアしたファイナルファンタジーXIII。既にインターネット上のレビューで多くが語られているので、何を今更という感はありますが、僕自身が本作について感じたことを個人的な評価として記載したいと思います。



グラフィック】 ★★★★★

FF13のゲーム性に苛立ちを覚えつつも、映像の素晴らしさだけは評価するというユーザーが多いようです。 FFシリーズは新作を発表するごとに、前作を遥かに上回る美麗なグラフィックで、我々ユーザーを虜にしてきましたが、そのお家芸は本作でもしっかりと発揮されています。ビルジ湖やサンレス水郷のように、見ているだけ時間が過ぎ去るのを忘れてしまいそう(言い過ぎ)になる美しいフィールドの数々。グラフィックに関しては (文句なしとは言いませんが) 星5つです。

 
バトルシステム】 ★★★★☆

ボタンを連打しているだけでクリアできてしまう退屈なバトルシステムと評されたりましますが、僕個人は「これはこれでアリ」だと思います。(次回作にも採用してほしいとは思わないけど)
おそらく戦闘におけるリアリズムを追求した結果、今回のようなバトルシステムに移行する必要があったのではないでしょうか。確かに、本物の人間のように作られたリアルなCGキャラクターが、従来のFFバトルのように、ゲージが溜まるまで武器を持ってその場で突っ立っていたら、なんだかバカッぽいし。戦闘に緊張感を生むために、よりアクティブな動作を取り入れ、アクションゲームさながらの戦闘シーンを実現したわけですが、それにより失われてしまった部分もあります。
プレイヤーはメインキャラクターしか操作できず、残りの2名はオプティマによる作戦で勝手に行動していくうえ、細かい指示を与えることが出来ないのです。「ヘイスト」を優先して使ってほしいのに、「ガッツ」やら「バファイ」やらを好き勝手に使って…(笑)
FF12の戦闘シーンにおいては、同じくメインキャラクターしか操作できなかったわけですが、それでも「ここぞ!」と言う時には、残りのパーティキャラに細かいコマンド指示が出せたわけです。 FF13のバトルシステムはそこがちょっと残念かなー。
あと、個人的に「メテオ」や「アルテマ」といったFFお馴染みの魔法で、敵を一網打尽にしたりすることが出来ないって点も残念。召喚獣がその役割を果たしてくれると思いきや、彼らの存在って単なるパフォーマンス以外の何ものでもない。敵に致命的なダメージを与えることも出来ない、映画トランスフォーマーに影響されただけの乗り物に過ぎません。

まあ、粗を探せばまだまだたくさんあるのですが、僕自身は今回のバトルシステムを結構楽しめたわけです。今までは「吟遊詩人」やら「踊り子」やらと、ゲームを進めていくうえで全く必要性の感じられないジョブが多数存在したわけですが、本作の「ロール」という旧来のジョブシステムの代わりになる要素は、何ひとつ不要なものがなく、戦況に応じて必ず1度は出番がやってきます。
「マイティガード→勇戦の凱歌→フェニックス→勇戦の凱歌」で、我慢して我慢して、やっと敵をブレイクさせて、「ラッシュアサルトで一気に畳みこむぞ!」なんていうやり取りもなかなか面白い。


成長システム】 ★☆☆☆☆
 
さて、このあたりから評価が厳しくなってきます。今回の成長システムに関しては、まったくもってナッシング。手抜きとしか言いようがない残念な内容です。クリスタリウムは、文字通りFF10のスフィア盤の劣化版。キャラクターの能力値にしても「HP」と「物理攻撃力」と「魔法攻撃力」の3種のみ…。
たとえば、ブラスターのロールなら「魔法攻撃力」の数値が、ディフェンダーのロールなら「HP」や「防御力」といった数値が成長していくなど、各ロール特性にあった能力値の設定だって可能だったはずなのに、どのロールを成長させても「HP」と「物理攻撃力」と「魔法攻撃力」が平均的に上昇していく。
FF10のスフィア盤なら、テレポスフィアやらを使って、ある程度はプレイヤーの好みでキャラクターの成長をコントロールさせることが出来たのに、本作に至っては、キャラクターを育成させる楽しみが悉く削りとられていて、残念なことこのうえなし。
アビリティの少なさも、僕のような懐古プレイヤーには大問題。「かばう」や「二刀流」など、修得すること自体に楽しみがあった旧FFシリーズのアビリティは死滅して、「ゾーンクラッシュ」だの「チェーンスターター」だの、修得したところで有難みがわからないアビリティがちょこちょこ散らばっている程度。まったくもってナッシング。

 
ストーリー】 −−−−−

FF13のストーリーだとかシナリオについては、個人的にはとくに文句はありません。 FFのストーリーはあくまで子供向けのものなんだと割り切っています。プロによる秀逸な脚本を味わいたければ、海外ドラマの「LOST」あたりを見れば良いのだし、精神性の深い人間ドラマに浸りたいのであれば、ドストエフスキーの小説あたりを読んでいればいいし。 FFのシナリオライターにそこまでのレベルを求めるのは酷というもの。 …とまあ、そんなこといってしまったらゲームの評価にならないので、ひとりの「オタク」としてFFのシナリオを批評してみましょうかー。

問題点その1、セリフが幼稚っぽい。
FFはシリーズを重ねるごとにシステムやグラフィックなど、あらゆる点において向上してきましたが、シナリオに関しては、なんの進歩もしていませんねー。 FF5やFF6のように、ドット絵で描かれたキャラクターが口にするようなセリフを、最新作FF13のように、本物の人間みたくリアルにデザインされた3Dキャラクターが口にしているのだから驚きです。制作者はどうもアニメからの影響を極めて強く受けているようです。ドット絵のキャラクターだから聞いていても恥ずかしくないようなセリフを、本作は音声付で垂れ流すのだから、たまったもんじゃない。

問題点その2、シナリオ構成が失敗している。
本作は群像劇のように、物語の進行にしたがって、各キャラクターの過去や様々な事件が浮き彫りになっていく(フラッシュバック)方式をとっています。「LOST」は、この方式により大成功をおさめた傑作ドラマですが、FF13は何の成果もあげれていない。フラッシュバックにより登場人物の過去が明らかになっても何の驚きもありません。ただ「凝った構成にしてみました」というだけの代物。ごちゃごちゃしすぎですな。

問題点その3、無駄に鏤められたキーワード。
ファルシ、ルシ、…パージ。 物語序盤から唐突に繰り出される意味不明なキーワードの数々。説明不足でプレイヤーが「置いてきぼり」になるのは、さして問題ではありません。使徒、アダム、…死海文書。かの有名なアニメ作品の時だって我々は置いてきぼりだったわけで。物語に数多く鏤められた謎のキーワードが、奥深い物語と密接に連携しているという点で「エヴァンゲリオン」を想起します。視聴者はその背景にある「謎」を解き明かしたくて、聖書だの哲学だの様々な憶測が飛び交い、それが一大ブームへ繋がったエヴァンゲリオン。残念ながらFF13の「謎」に関しては、解き明かしたいという欲求にまったくかられない。

問題点その4、サブキャラクターがたっていない。
欠点を探せばまだたくさんありますが、シナリオ批判はもう飽きてきたので、これで最後。シド・レインズやメガネの女性、脇役のキャラクターが勿体なさすぎる。以上。

という具合に、さんざん批判させていただきましたが、何度も言うように僕はこれからもFFのストーリーはこういう感じで良いと思います。 FFシリーズに関しては、アニメっぽいキャラクターとセリフ回しが好きなユーザーの方が大多数だと思うし…。
僕はどちらかというと「FFタクティクス」や「フロントミッション」のような、細部まで作り込まれたマニアックな世界観とシナリオ設定が好きなんだけど。


お楽しみ要素】 ★★☆☆☆

クリア後のお楽しみ要素は、FFシリーズを語るうえで欠かせないものになっていたはず。まだ見ぬ隠しアイテムや最強武器の探索、ラストダンジョンよりも難易度の高いマップ、チョコボ育成、カードゲーム、etc…。
本作において「お楽しみ要素」の役割を果たすのは「ミッション」ですが、これも文字通りFF12の「モブ狩り」の劣化版です。標的となるモンスターも使いまわしばかり。今回のこのお楽しみ要素(本編に関係ない部分)は、本当にがっかり。

 
FF13は“一本道”とよく言われます。ダンジョンが一本道で探索する楽しみがない、窮屈なゲームになってしまっている。けれど、よおく思い返してみれば、FF10のマップだって基本的には一本道でした。にもかかわらず、FF10ではFF13ほど窮屈な思いを味わうことはなかったはずです…。
実は、ダンジョンの一本道というのはそれほど問題ではないのかもしれません。大切なのはプレイヤーの「自由度」ではないでしょうか。 FF10においては、ダンジョンが一本道であったにも関わらず、過去に訪れたダンジョンに、好きな時に戻ることが出来て、取り忘れたアイテムの探索などを自由に行えました。
しかし、FF13のプレイヤーは、まるでベルトコンベアーにのせられた缶詰のように、強制的にただただストーリーに流されていくだけ。僕は、そこにこのゲームの窮屈さを感じてしまいます。
 
11章まで行けば、かなり自由に歩けるようになる。序盤は苦痛だけど、オプティマシステムを扱えるようになるまで、2、3時間我慢すれば楽しくなる。こういった訴えも最近よく耳にします。
へ、ちょっと待ってください。なぜゲームをするのに「我慢」しなくてはいけないのですか。そもそもゲームってユーザーに苦痛を与えるものだったのでしょうか。

 
posted by もときち at 09:34 | ENTERTAINMENT | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする 
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