2009年12月20日

FREE


フリー~〈無料〉からお金を生みだす新戦略 [ハードカバー] / クリス・アンダーソン (著); 小林弘人, 小林弘人 (監修); 高橋則明 (翻訳); 日本放送出版協会 (刊)
プラハにある売春宿「ビッグ・シスター」は、売春婦と無料でセックスすることが出来るという、夢のようなサービスを提供していることで知られる。
 
無料の風俗というのは世界初の試みだが、実はその売春宿、個室に何十台ものカメラが設置されている。男性客は自分の行為が撮影されることを承諾したうえで、「ビッグ・シスター」を利用しなければならないのだ。
そして、撮影された動画はインターネットで配信される。もちろん、動画閲覧は有料である。

 
グーグルはアメリカでもっとも儲かっている企業のひとつだし、リナックスの生態系は300億ドル産業だ。ここにフリー(無料)のパラドックスがある。料金をとらないことで、大金を稼いでいる人々がいるのだ。すべてとは言わなくても、多くのものがタダになっていて、無料か無料同然のものから一国規模の経済ができているのだ。それはどのようにして起こり、どこへ行こうとしているのだろうか。これが本書の中心となる疑問だ。
この世にタダのランチはない。実際にランチを食べた者がお金を払わないとすれば、それは結局、その人にタダでランチを提供しようとする誰かが払っているにすぎないのだ。
人々はときどき、こうして間接的に商品の代金を支払っている。フリーペーパーは広告収入で運営されていて、それは広告主である小売業者のマーケティング予算から出される。スーパーマーケットの無料駐車場は、商品から利益がまかなわれているし、無料サンプルのコストは、その商品を買う客によってカバーされている。<本書>

 
あなたの身近な問題。
「アメブロ」や「FC2ブログ」といったブログサービスを僕達に無料提供することで、それらを運営している会社には、いったいどのようなメリットがあるのだろう。
答え。無料ブログには(独自ドメインでない限り)必ずと言っていいほど「広告」が貼り付けられている。僕達の書いたブログに第三者が訪問して、彼らが広告をクリックした場合、対価報酬がブログ運営元の会社に支払われるような仕組みになっているのだ。だから、ブログサービスを提供している会社は、もっとももっと自社のブログで記事を書いてほしいと願っている。記事が増えれば増えた分だけ、検索エンジンにヒットして、閲覧−広告クリックの可能性が増えるのだから。
 
世界経済において、これまでにないほど知的財産の価値が重んじられています。昔に比べて共産主義者の数は減りましたが、ミュージシャンや映画製作者やソフトウェア制作者のやる気を失わせようとする新しい今日的共産主義者が、さまざまな姿であらわれているのです。<ビル・ゲイツ>

自由と無料にまたがる特許権や著作権などの知的財産権を、フリーが攻撃していると言う意見がある。それを唱える人は次のように考える。人々は報酬がなければものを捜索しようとしない、と。

 
クリエイターが、世の中をアッと驚かす新製品や新技術を開発するのは、実は「お金」のためなんかじゃない。彼らは、自分の創作した作品が人々を驚かすことに、何にもかえがたい喜びを感じる生き物なのだ。
そして、彼らはその先に在る名声を(無意識にも)求めている。この素晴らしい作品を世に送り出したのは「この俺」だということを、あなたがたに知っておいてほしい、と。
いや、俺は名声なんて求めていない。創作することが楽しいから創作しているだけだ。…本当に?
創作することが楽しいだけなら、なぜそれを世に送り出す必要があるのだろう。記事を書くことが楽しいだけなら、日記帳やチラシの裏に書いて、押し入れにしまっておけばよいではないか。わざわざブログとして公開しているのは「自分を知って欲しい」という欲求以外のなにものでもないのだ。
 
 
posted by もときち at 01:29 | INTERNET | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする 
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