2009年10月05日

税金の基本

テレビのニュースで連日のように議論されている増税の問題。もちろん、増税に賛成の国民なんてあまりいないだろう。とはいえ、政府も国として国民に必要不可欠のサービスを提供するために、ある程度のお金が必要なのは仕方ないことであるし、我々もただ一方的に減税ばかりを求めることもできない。
 
政権交代前、鳩山代表は消費税の引き上げについて「4年間は上げない」という明言のもと、マニフェストを掲げてきた。しかし、一方で日本の財政赤字は危機的状況に陥っている。
民主党が公約通りに増税をしないということであれば、政府はそれを「国債」で、いわば国が国民に借金する形で埋め合わせるしかないのだが、裏付けのない借金を果たして国民が認めるかどうか。最悪の場合は国債の価値が暴落するかもしれない。そして、国債が暴落したらどうなるかというと、まず日本のメガバンクと郵貯が次々に潰れていくという事態が起こる。そんなことが起きたら日本国内だけの問題にとどまらず、一気に国際問題に発展してしまうので、どうしても政府は(見栄を張ってでも)国債暴落を阻止しなければならない。だから、最終的に政府はこの財政危機にどう対処するかというと、やっぱり「増税」しかないというわけだ。
 
いま、日本の消費税は5%である。ようするに100円の商品を購入すると5%の消費税が加算されて105円になるということ。これが消費税20%になると100円の商品が120円になり、こうなると誰も物を買わなくなってしまう。消費税の引き上げは、間違いなく国民の購買意欲を減退させ、生活水準を下げることになるだろうから、みんな、それにビビッて身動きがとれずにいるのだ。
景気というのは「お金の流れ」である。不景気になると、みんな自分の将来が不安になって財布のひもが固くなり、誰もお金を使わなくなってしまう。みんながお金を使わなくなるということは『あなたの働いている企業の商品が売れない』と同義である。(あなたの働いている)会社が作った商品が売れなくなると、(あなたの)会社は倒産してしまうだろう。そして、失業したあなたはお金を使わなくなり(使えなくなり)、あなたのような失業者が増えると、世の中のお金の流れはさらに悪くなっていってしまう。
このように、景気というのは『自分+企業+購買者』全てが繋がっていて互いに循環している。ようするに、みんなが“潤う”には、もっともっとみんなが「お金を使えばいい」のだけれど、なかなかそうはいかない。将来が不安だから、みんな財産を貯蓄にまわしてしまうわけだ。なかなか難しい問題である。
 
現在、日本では所得税・法人税、そして消費税が大きな財源になっていて、政府にとってはこれら3税収がほとんど全てと言っても過言ではない。ところで、政府がどうしても多額の税金を徴収しなければならなくなったとした場合、いったいこの3税収のうち、何を増税すればよいのだろう。
もしもあなたが定年退職後の高齢者か、あるいは職に就いていない若者ニートであったなら、迷わず『法人税』とするだろう。法人税というのは会社の利益に対して徴収される税金だから、法人税が引き上げられたところで、働いていない連中にとっては痛くも痒くもない。では、あなたがサラリーマンであった場合は…?実を言うと、会社経営者を含めたサラリーマンは『所得税』と『法人税』を出来る限り低くして、逆に『消費税』を20%くらいにしてもらったほうが断然お得なのだ。消費税の引き上げはフェアである。なぜなら、消費税は唯一国民全体から平等に徴収できる税金だからだ。
 
もちろん、消費税だって増税しないにこしたことはない。しかし、これが「法人税」の引き上げになったらどうなるか。『日本の法人税は高すぎる』というのが、会社側の共通認識である。事業税率と住民税率を含めた実効税率は40%。その他諸外国は20%程度がいいところだというのに、これでは競争もクソもないだろう。だから、日本で会社をやっていたら損じゃないかということになり、国内の優秀な企業はどんどん海外へ流出してしまうし、現にいまも流出している。ようするに、これからは海外で活躍の出来る優秀な人材のみが生存し、英語も話せない日本人はより一層の貧困を強いられるわけだ。仮に法人税を20%にまで引き下げることが出来れば、企業にも非正規雇用労働者を正社員にする余裕が生まれ、結果として、全ての労働者の賃金も増え税収も増えていく。
以上が増税に関するオーソドックスな認識である。現在のようにグローバリゼーションが進行した世界では、税収を増やそうとして『儲かっている企業から奪おう』とすると、莫大な利益をあげる企業は日本から逃げていき、結果としては税収も下がってしまうのだ。
 
 
posted by もときち at 10:50 | ECONOMY | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする 
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